Design 1センチメートルの美

2021.2.19


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わずか1cmの世界にも、美は潜んでいるもの。

わずか1cmの世界にも、美は潜んでいるもの。

昨年から取り組んでいたルージュのビジュアルがようやく完成したので、ここで一番初めに紹介させてください。

このパンデミックによってマスクが常に必要な生活が当たり前になり、口紅の売上は激減しました。人と人とのダイレクトなコミュニケーションも減って、きっとその分笑顔も減ったのではないかなと思います。

そんな中で、もしもこのコロナ禍が終わったら、また口紅を塗って新しい気持ちで一歩踏み出したいと思わせるビジュアル、また、コロナ禍の中でも唇を乗せたいと女性をインスパイアするビジュアルを作りたいと思い制作に至りました。

口紅は女性の様々な表情を作るものですが、口紅それ自身もまた様々でユニークな表情を持っています。特に資生堂の口紅は色、形、ツヤ、質感、香りそのどれをとっても究極にこだわり抜いて作ってるので、紅先1cmのスーパークロースアップ写真の中に、資生堂が追求してきた美を見出すことができるのではないかと考えました。 それが“シセイドウ 美”というキャッチコピーの理由です。

美は細部に宿るとは言ったもので、この写真はわずか1cm程度の世界です。


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資生堂はグローバルコンペティターと戦う中で、日本オリジンであることが強い個性となっているので、表現的にはモダンジャパニーズネスをテーマにしています。

僕は古典的な日本の美ではなく、モダンな日本らしさとは何か、モダンな日本の美しさとは何かという問いを常に考えています。言葉ではなく、ビジュアルに落とすとどんなものなのか。これを表現することは、自分の一つの使命のようにも感じています。


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今回のビジュアルは、特に浮世絵などに見られる背景を描かない手法、間のとり方、奥行きを感じさせない二次元的な空間性など、そこに日本人の美意識を強く意識して作ったものです。シンプルで品があり、繊細なのはもちろんで、それで静かになってしまうとグローバルコミュニケーションでは全く通じないので(静かなことに奥ゆかしい美を感じるのは、日本人特有の美意識だと実感する場面が多くあります)日本らしさをグローバルに伝える時には、あくまでダイナミックと繊細さが兼ね備えていることが非常に重要だと感じています。

僕がアメリカでクリエーションをする中で、日本人が、日本のブランドがグローバルで戦うためには、視点とマインドセットを大きく変えないと厳しいと身をもって体験しています。そんなあれこれを考えながら、日本人の感性をグローバル視点で解釈して表現したビジュアル、いかがでしょうか。このビジュアルから、みなさんがどんなことを感じ取ってくれるのか反応が楽しみです。


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Photographer, Shotaro Ito Producer, Saki Hashimoto

Information

MdNデザイナーズファイル2021の装丁デザインをしました。

発売日 :2021-02-24
仕 様 :A4判/272P
ISBN :978-4-295-20099-4
価 格 :本体 3800円(税別)
出版社 :エムディエヌコーポレーション
販 売 :Amazon 楽天ブックス ヨドバシ.com

詳細はMdN BOOKSをご覧ください。