昨年から取り組んでいたルージュのビジュアルがようやく完成したので、ここで一番初めに紹介させてください。
このパンデミックによってマスクが常に必要な生活が当たり前になり、口紅の売上は激減しました。人と人とのダイレクトなコミュニケーションも減って、きっとその分笑顔も減ったのではないかなと思います。
そんな中で、もしもこのコロナ禍が終わったら、また口紅を塗って新しい気持ちで一歩踏み出したいと思わせるビジュアル、また、コロナ禍の中でも唇を乗せたいと女性をインスパイアするビジュアルを作りたいと思い制作に至りました。
口紅は女性の様々な表情を作るものですが、口紅それ自身もまた様々でユニークな表情を持っています。特に資生堂の口紅は色、形、ツヤ、質感、香りそのどれをとっても究極にこだわり抜いて作ってるので、紅先1cmのスーパークロースアップ写真の中に、資生堂が追求してきた美を見出すことができるのではないかと考えました。 それが“シセイドウ 美”というキャッチコピーの理由です。
美は細部に宿るとは言ったもので、この写真はわずか1cm程度の世界です。
資生堂はグローバルコンペティターと戦う中で、日本オリジンであることが強い個性となっているので、表現的にはモダンジャパニーズネスをテーマにしています。
僕は古典的な日本の美ではなく、モダンな日本らしさとは何か、モダンな日本の美しさとは何かという問いを常に考えています。言葉ではなく、ビジュアルに落とすとどんなものなのか。これを表現することは、自分の一つの使命のようにも感じています。
今年は残暑が長く暖かい日も続いていたのですが、ニューヨークの街路樹も色づきはじめ、今は秋真っ盛り。そして明日は秋一番のイベント、ハロウィンですよね。10月にもなると、各家庭が自宅のデコレーションをはじめて一気にハロウィンムードに。特にタウンハウスの多いブルックリンのようなエリアでは軒先にスペースがあるので、各家庭が思い思いのハロウィンのデコレーションを楽しんでいます。
そこで今日は、僕が街中で見かけたハロウィンデコレーションをご紹介していきたいと思います。
ストーリーがありそうなデコレーションですよね。これだけの人形たちはいつもどこに保管されているのか…
日本人的には、怖い顔のてるてる坊主にも見えます。笑
よく見ると、ワンコもガイコツに。
洗濯物にも見える?デコレーション
蜘蛛の巣をはるの、なかなか大変そうですよね
うわ、雑!!って思ってしまうクオリティ
ここまでくると、だいぶ雑でおもしろい。これは何の骨なんだろう…
こちらは学校。子供たちが一生懸命飾り付けをしているのを見るとちょっとほっこりします
思わず手をふりたくなる人形。リアルな人形も多いなか、子供にも優しいデザインでなごみます
昨年末よりブログをはじめて、これまでに50以上の記事をエントリーしてきました。ブログをはじめてみて、自分の中でなんとなくで理解していたことや考えていたことをいざ文章にまとめてみようとすると、実は捉えていたのが輪郭だけだった、ということ気づきました。
記事にすることによって自分の考えと向き合うきっかけになったり情報の整理になったり、物事をその背景まで考えてみようとしたり、とても良い経験になっています。
おかげさまでたくさんの方に読んでいただき、実際に「ブログ読みました!」と声をかけていただり、メールをいただいたり、そういう声が励みになっています。ありがとうございます。
大変ながらもはじめてよかったなと思っています。
今後も記事のエントリーは続けて行く予定なのですが、様々なプロジェクトが一気にスタートした関係で今まで日本時間水曜日の午前、ニューヨーク火曜日の夜に更新させていただいていましたが、年末までの間は不定期に更新させていただきます。
年明けからの更新につきましては、また決まり次第こちらのブログでお知らさせていただきますので、どうぞよろしくお願いたします!!
アップルピッキング行きたいなーという思いが溢れて表紙をりんごの写真にしました。笑
NYはこの週末も半袖で過ごせるくらいの陽気でしたが、しっかりと秋の足音は近づいてきています。NYはマンハッタン自体は大都会ですが、1、2時間も離れるとそこは雄大な大自然というロケーションです。今日はそんなマンハッタン近郊で代表的な秋のイベントをご紹介したいと思います。
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日本の秋と同じようにNYでも紅葉を楽しむことができます。上の写真はマンハッタンのど真ん中にあるセントラルパ—ク。そこでも十分に紅葉を楽しむことができますが、電車や車を使えば1〜2時間ほどでアップステートにも行けて、さらにパノラミックな紅葉を楽しめるのもNYならでは。
他にもヨットやボートでアッパーニューヨークの紅葉を巡るクルージングなど、紅葉を楽しむためのプログラムが充実しています。
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あまり聞き慣れない言葉ですよね。僕もNYに来てはじめてこのイベントを知りました。パンプキン パッチはハロウィンで飾り付けやパイに使うカボチャを収穫する、日本でいうところの果物狩りみたいなものでしょうか。
秋になると、NY郊外のファームではどこもパンプキンパッチが行われています。多くのファームでは、カボチャ狩りだけでなく、牧草を積む大きなトラックに乗って畑を走るヘイライドやコーン畑で作られた迷路のその名もコーンメイズ、そして、なんとカボチャを大砲代わりにするパンプキンキャノンなど聞くだけで楽しそうなアクティビティが盛りだくさん。
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引用元:https://www.greatpumpkinfarm.com/
パンプキンキャノン、一度はやってみたい。
NYに来てびっくりしたことはたくさんあるのですが、その中のひとつが林檎の種類の多さ!近所のスーパーでも常に6、7種類以上はあります!そんなアメリカ人の大好きな果物、林檎のシーズンが秋。ハロウィンのカボチャと共に林檎もたくさん売られる時期です。通常の売り場とは別に、アップルピッキング、つまり林檎狩りをイメージした特設コーナーも作られるほど。
アップルピッキングもパンプキンパッチと同様、林檎のオーチャードで大々的に行われます。実は、ニューヨーク州は林檎の産地としても有名で、たくさんの農場や果樹園があるんです。
ここでもヘイライドや触れ合い動物園などのアクティビティが楽しめます。
ファームによって多少違いはあるかもしれませんが、大体の場合、最初にバッグを購入してその中に詰め放題。
また、場所によってはアップルサイダーやアップルサイダードーナツをその場でいただけることも。
ちょっと話はそれますが、アメリカ人の友人と話していて驚いたのが、アップルサイダーはフレッシュなアップルジュースのことだということです。日本人としてはサイダーと聞くとしゅわしゅわの炭酸を思い浮かべると思うのですが、炭酸入りのジュースのことはソーダ(地方によってはPopやCoke)と言うみたいです。フレッシュなアップルジュースを使って作られたアップルサイダードーナツ、とても美味しくて好きなので、ぜひファームでできたてを食べてみたいです。
ちなみにハードアップルサイダーはソフトドリンクの反対でアルコール入りとのこと。
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と、ここまで紹介してきましたが、実はフォールフォリッジのクルージングもパンプキンパッチもアップルピッキングも行きたいと思いながら実行できていなかったので、この記事を書きながらとても行きたくなりました。笑
全部は難しいかもですが、せめてひとつくらい行ってみたいです。もし行けたらまたブログ記事にまとめたいと思います。
ちょっと話はそれますが、このお店を知ったきっかけはドラマでした。「Modern Love」というAmazon Prime Videoのオリジナルドラマで、このドラマはニューヨーク・タイムズに連載されている「男女間の恋”愛”に限らない色々な形の”愛”」がテーマのコラムに寄せられたエッセイが元になっていて、なんと全てが実話とのこと。
そんなドラマの7話にこのアイリッシュパブが登場していました。とは言っても、背景にちらりと映っただけだったのですが、外観の雰囲気がとても気になって、お店の名前をメモしておきました。調べてみると、先述した通りの情報が出てたのでますます興味が沸き、ずーっと行ってみたいと思っていたのですが、パンデミックの影響で一時お店も閉めていたようで、念願叶ってようやく訪ねることができました!
お店の佇まいからして、すでに雰囲気があるのですが中に入るとまず匂いがすごい。床にはおがくずが蒔かれていて、その香りとなんとも言えない古めかしい少し湿った匂いが混ざりあって、視覚よりも先に嗅覚で歴史の厚みを実感しました。
午後の2時くらいに訪れたのですが、アウトドアもインドアもほとんど満席で、お客さんの年齢層は少し高め。地元の方たちかなという雰囲気です。パブが位置するイーストビレッジは若者が多いイメージなので、お店の中に入ってみてちょっとびっくりしました。
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昔ながらのフィッシュ&チップス。めちゃくちゃシンプルで素朴だけど、美味しかった笑
店員さんたちもすごくプロフェッショナルで好感度が高かったです。はじめての訪問だと伝えると注文の仕方を丁寧に説明してくれて、君が座っているまさにその席にセオドア・ルーズベルトが座ったんだよ、と教えてくれました。フランクリンではない方のルーズベルト氏、彼は当時アメリカ史上最年少で大統領に就任したことで知られています。
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Lightしか飲めなかったので次回はDarkにも挑戦してみたいです。
SAKE HUNDRED<オフィシャルサイト>
「あけるは、生きる。」というメインコピーの、あけるというのは、お酒をあける、お店をあける、夜があける、いろいろな事がポジティブに変化していく瞬間だと思います。そういった前向きな想いをビジュアルとコピーに乗せています。
強く意思のあるメッセージに合わせて、ビジュアルも堂々とした佇まいを目指しました。撮影はブルックリン、打合せはニューヨークと東京間でリモート、出稿は日本というプロジェクト。コロナ禍以前では考えられなかったスタイルですが、前回の表参道駅に続いて二回目の試みです。もちろん大変なこともありましたが、結果、力強く、そして凛とした芯のある広告を作り上げることができました。
困難があっても前を向いて進んで行けば、どんなに暗い夜の日も、美しい朝を迎えるようにまた新しい日々がやってくることを信じて、クライアントとクリエイティブチームとが一緒になって制作した日々でした。
あけるは、生きる。
どんなに暗い夜の日も、
世界は美しい朝を迎えるように。
お酒には心を満たし、人を豊かにする力がある。
あけていこう。前へ。明日へ。
あける。それは、未来のはじまりだから。
生きるということだから。
今はお酒を売っているメーカーだけではなく、お米の生産者、お酒を卸している人、サーブしている飲食店、お酒を飲むことを我慢している人たち、いろんな人たちが苦しい思いをしている時だと思います。
PHOTO, NYC Ferry
Brookfield Placeのフェリーターミナルから見るハドソンリバーの景色。NYの好きな景色の一つ。夏は特に景色がきれいに見えます
今年はコニーアイランドへ行くラインも就航予定ということなので、今から楽しみです。
一番左側のピンクが今回新しくできたライン。右側の紫はロッカウェービーチのライン
ミッドタウン。この絶景が2.75ドル
エンパイア・ステートビルや国連ビルも見えて、観光にもおすすめ
マンハッタンからフェリーで10分、最高にピースフルな無人島、ガバナーズアイランド
片道1時間くらいのロッカウェービーチ。ここまで来ても2.75ドル
ひたすら続いたヤシの木のジャングル
道路脇の至るところに地元で取れた果物が売られていました
現地で出会った果物が直接的なインスピレーションに
目的地の工場。一見、工場には見えない可愛らしいカラーリングでした
ランブータンとコーヒー
ロンガンとライチ
パッケージを包む紙のラベルも同系色で統一感を出しつつ、4色で差が分かるように工夫しています
4個セットと6個セットのボックス
7月のヤンキー・スタジアム
7月と昨日と二回、大谷選手の試合をヤンキースタジアムで観戦してきました。残念ながらヒットは見れませんでしたが、近くで見るとその存在感の大きさ、堂々した振る舞いと佇まいに驚きました。
8月16日の大谷選手
当たり前の行為かもしれませんが、彼ほどの立場になればそれにあぐらをかいてしまうこともあるかもしれません。けれど、彼は常に謙虚な姿勢を保っているので、すごいなあと思っていたのですが、ある時、大谷選手が高校一年生の時に書いたマンダラチャートという目標達成のフレームワークがあることを知って、彼の立ち振る舞いの原点を知ることができたような気がしました。このチャートの大谷選手の目標の立て方が非常に勉強になったので紹介させてください。
大谷選手の高校一年生の時のマンダラチャート
参照元:https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/02/02/gazo/G20130202005109500.html
僕は小学5,6年生のときに、その後の自分の人生に多大な影響を与えてくれるような恩師との出会いがありました。それが当時の担任の松尾先生です。先生がある日突然「よし、みんなでやってみよう」とクラス全員に提案したものが、その名も『なまけ心に負けるなシート』。
内容はとてもシンプルで毎日自分が決めた時間だけ勉強を頑張ろうというものでした。目に留まる自宅の机の横にかけておいて、毎日達成した勉強時間を記入していくシートです。そして先生は、もしみんなが勉強が続けられたら、お祝いに野球観戦に連れて行くという約束をして、2年後、実際に果たしてくれました。30年前の当時、小学校の担任の先生が自腹でクラスの生徒全員をプライベートで野球観戦に連れて行くなんて、本当にあり得ない発想だったと思います。
11歳の頃、僕は先生に言われるがままに一日40分と時間を設定して、まず3日間頑張りました。これは行けるぞと思って、次の日は45分、50分、55分と伸ばしていって、ついには始めて一週間経つ頃には1時間まで続けることができました。これに気分を良くして、この毎日一時間というのを頑張って守ろうと思い、小学校を卒業するまでの2年間は一度もサボることなく毎日1時間以上自主的な勉強を続けることができました。
JAGDA(ジャグダ)新人賞という39歳以下に与えられる日本グラフィックデザイン協会が主催する国内トップのアワードがあります。その賞は日本全体のグラフィックデザイナーの中で一年に3人しか受賞することができません。僕は30歳からチャレンジを始めて、そこから9年かけてスキルを積み重ねて、38歳でようやく受賞することができました。
9年間、特に後半は、もうダメだ、自分には才能がない、挑戦するのを辞めようと何度も考えました。でも、自分が立てた目標を達成したい思いが勝り、なんとか続けることができました。今振り返ってみると、小学校時代の『なまけ心に負けるなシート』で鍛えられた続ける力の影響があったと思います。そして、多くのデザイナーの先輩が親身になってくれてアドバイスをくれたことも大きいです。もしかしたら、先輩方は諦めずに粘り続ける様子を見て、親身になってくれたのかもしれません。そういう意味で「運」も引き寄せたとも考えられます。
とはいえ、僕の個人的な考えですが、努力すれば必ず目標が達成できるとは思っていません。特にスポーツの世界においてはそれが顕著だと思います。どんなに努力しても、どんなに想いが強くても勝てない、叶わない時もある。ライバルも多い。運だってある。何よりしっかりと戦える選手生命が短い。でも、目標に向かうためには多かれ少なかれ、必要なことは努力を続ける力だとも思っています。大谷選手のような天才でさえも!
来週は夏休みをいただいてお休みさせていだきます。次回更新は8月31日を予定しています。
Image: mltonglaser.com
Image: mltonglaser.com
ブルワリーの中の雰囲気
ブルワリーの入口正面に大きなビアタンクとロゴがゲストを迎え入れてくれます
外壁にはブルックリンらしいアーティスティックなペイント
ベンチやドアまでロゴをうまく活用しています
いたるところにBのロゴが。ここで働くひとたちが、このロゴに誇りを持っていることが伝わってきます。
打ち合わせをする、創業者のスティーブ・ヒンディ(左)とミルトン・グレイザー(右)
Image: Brooklyn Brewery
ミルトンが最初に作った「B」のマークを見た時に、スティーブは思わず「これだけ?」と聞いたそうです。すると、ミルトンは「家に帰って、テーブルに置いて奥さんに見せてごらん」と。その通りにしたところ、すぐさまスティーブの奥さんが気に入り、スティーブも先入観を取り払うことで「B」のシンプルな美しさが浮き立って見えるようになりました。一般的にシンプルなデザインは、整頓されていて清潔に見える反面、サラッと流される個性が薄いデザインになってしまうこともあります。でもこのBのロゴはシンプルながらボールドでとてもユニークだと僕は思います。
飲んだのはRooftop OasisとBrown Ale。どちらも日本のビールよりはホップ強めで味わい深いです。今は、パンデミックの影響で、グラスではなくプラスチックカップですが、それでもロゴをしっかりとプリントして、ブルワリーで飲むビールというこの場所ならではの体験をよりリッチなものにしています。些細なことですが、顧客体験を設計する上で非常に大事なことです。